男性の育児休暇取得はいまだハードルが高い

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男性の育児参加

最近では男性の育児参加が強く叫ばれるようになっています。
女性も仕事をしている人が多いですし、核家族が増えたことで女性にかかる育児の負担が大きくなっていることも原因です。

2013年に安倍政権の成長戦略で女性の活躍推進が掲げられ、その中で男性の育休取得率を高めるということが目標にされました。
そのため企業によっては男性が育児休暇を積極的に取得することを目標として会社内の規則を変更したというところも少なくありません。
しかし、実際にはまだまだ男性が仕事を休んで育児に参加することは難しい現状があります。

育児休暇を取得することへの抵抗

まだまだ会社内で育児休暇を取得した人の数が少ないために、育児休暇の申し出をするということに勇気が必要なケースが多いです。
実際、育児休暇を取得したことのある人は2パーセントにも満たないと言われています。

しかし、実際に育児休暇を取得した人の84パーセントはもう一度育児休暇を取得したいと言っています。
実際に育児休暇を取得することによって得られるメリットが高いためです。

特に男性というのは女性と違い子供ができてもお腹が大きくなるわけでも体調に変化が出るわけでもないので子供が生まれてくるという実感がなかなかわきません。
子供が生まれてから初めて父親としての自覚が芽生えるものです。
だからこそ子供が生まれる前後の時間を家族と過ごすことで父親としての意識が芽生え家事への積極的参加や仕事や家庭への取り組みの変化というものが生まれてきます。

男性の育児休暇取得への障害

このように育児休暇取得をした人たちが取得してよかったと思うものでありながら、未だにほとんど取得者が増えないのは色々と障害があるためです。
まず、会社内にしっかりとした育児休暇取得のための制度がないという会社が多いです。

また、職場内でもまだまだ育児休暇に対しての認識が弱く取得をしにくい空気があるという会社も多いです。
自分自身が出産をしないために必要ない休暇であるという認識をしている上司がいる場合もあり、そのような企業では上司が部下の育児休暇取得の妨げとなってしまいます。

昔から男性が外で働き女性が家を守るという考えがあるために、思うように育児に参加できない風潮があります。
世の中ではこれをパタニティハラスメントと言われることもあり、社会的な問題となっている項目です。

パタニティというのは父性のことであり、男性が育児参加を通して父性を身につけたり発揮したりする権利や機会が損なわれているということを指します。
最近ではパタハラが話題になっていることもありますし、企業としてもイメージアップを図るため、積極的に育休取得を目指す働きも出てきています。
企業の中には少しでも社員の負担軽減を考え、事業所内に保育施設を設けて保育士の募集をかけているところも増えているようです。

例えば神奈川県では子育てに悩む夫婦が就職しやすい企業を見つけられるような認証を用意しており、企業目線でも求人時のアピールポイントになるというメリットがありますね。日産自動車やイトーヨーカドーなども「かながわ子育て応援団」に登録されているようです。

今後は就職活動の際の一つの選択肢として男性が育児参加をしやすい会社というのも候補に上がる時代がくることが予想されています。